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アイルランド・オランダ旅行記

第2日「ダブリン到着、ブラックロックを散策」

[Japanese only]

 

[2001年8月5日(日)]

早朝、アムステルダムのスキポール空港に到着。KLMの青い機体を降りて空港内へ。外は雨。空港は、やはりひさびさのヨーロッパ。どのアジアとも米国とも違う雰囲気が漂う。ベンチが違う。公衆電話が違う。カフェが違う。免税店のディスプレイが違う。ヨーロッパのハブ空港の一つにふさわしく、いろいろな人種の人たちが行き交う。その中にいかにもオランダ人らしい風貌の人たちも。

 

Kanaoにとっては6年ぶりのスキポール。そうそう、「こんな空港だった」と確かめるように歩き回る。乗り継ぎ便には時間があるが、それでもアジアからダブリンに入る方法の一つとして、スキポール経由はベストの一つだと思う。

おつうは化粧品(と言ってもファウンデーションなんだけど)を物色。ヨーロッパ産の物はアジアで買うよりかなり安かった。塞翁が馬。Kanaoはカメラ屋に。カメラ屋は2軒あったが、どちらも高い!!東京の量販店で買うより4割は高い。ほとんど日本での定価で売っている。消耗品も高い。しかも探していた魚眼コンバーターは無く、断念。高い物を買わずにすんだのだから、きっとこれは幸運なんだろう。塞翁が馬!?それにしてもモロ見えのその手の本やDVDまで免税店で売っているのは、さすが、スキポール(急に話を落としてすみません)。覚醒剤も安楽死もありというアメリカ以上に自由の国オランダ。センス抜群の絵葉書が数多くあるのも、さすが、印刷の国、オランダ。帰りもスキポール経由なので沢山買って帰ろう・・・もちろん、絵葉書を。

スキポールからダブリンへは、KLMと共同運航のエア・リンゲスを使う。スキポールの待合室に集まってくる人たちの風貌が違う。色白にそばかす。赤茶色の髪の毛。深く澄んだ緑や青、灰色の目。彼らの目はどうしてこんなに透き通っているのだろう。思わず見入ってしまい、目があって、照れ笑いをしてごまかす。ケルトの末裔達だ。そう、私たちは彼らに会いに来たのだ。

エア・リンゲスは質素ながらも好ましいサービスを提供する。種類の違う2種類のパンではさんだサンドウィッチもおいしかった。約一時間後にはダブリン空港へ。羽田-千歳ぐらいの感覚か。ペナン-クアラルンプルと言ってもいいけど。空からは、ダブリンの町並みが見えた。機内アナウンスで「ダブリンの現地時間は11時、気温は13度…」。おいおい…。13度?事前に村上春樹の「もし僕らの言葉がウイスキーだったなら」を読んでおいて良かった。7月のアイルランドでセーターにコートを来て、まだ震えていたと書いてあった。念の為にと長袖シャツを探し出し、さらにペナンでコートを購入して持ってきたのだ。朝日新聞の「ヨーロッパは猛暑」の記事は何だったんだ。

 

昇降機の故障とかで、後部出口よりタラップを降りてダブリン空港に立つ。寒い。エア・リンゲスの緑色の機体の横を歩いて空港ターミナルへ。緑はアイルランドの色だ。ポストの色まで緑。そしてその緑の機体の向こうの雲の合間に見える空は、青く澄み渡っていた。迷路のような通路を通ってイミグレーションへ。入国カードを記入し、係員の前へ。それまでしかめっ面をして審査していた係員が、日本のパスポートを提示したとたんに微笑んで、「コンニチハ、カンコー?」。「日本人が多いのか?」と聞いたら、「日本人のためには簡単な挨拶と、カンコー?、びじねす?」を覚えておく必要があるとか。

預け入れ荷物を待つ間、とにかく寒いので防寒着を取り出し着る。荷物は無事到着。次に換金。ここで第二のハプニング。行き当たりばったりの事が多いKanaoはしては珍しく、今回のツアーは周到に準備していたはずだった。今回は幼い娘達を連れているので、「最悪、野宿」という考え方ができなかったのがその理由である。で、そのハプニングとは、準備段階で考えていたアイルランド・ポンドのレートが間違っていたこと。どこかの価格がユーロ表示だったので、それと混同したらしい。1ポンド105円のつもりが140円!なんか、安すぎるとは思ったんだよなぁ。アイルランドでの経費が予定の1.4倍になる。いや、レンタカーはUS$で計算していたから、ここは大丈夫・・・。頭の中でいろいろやりくりを考える。取り敢えず800US$分換金。

教訓その3:換金レート等、現地の情報をきちんと押さえよう ← 当たり前だろ!!

税関はグリーンカウンターを通過し空港の外へ。あっけなく入国完了。

ダブリン空港からダン・レーリーへは、あらかじめ宿の人に聞いていたエア・ダートというバスと、ダート(DART : Dublin Area Rapid Transportation)という電車を乗り継ぐつもり。電車内で撮影したのであまり綺麗ではないが、路線図は下の写真の通り。エア・ダートは新しいシステムらしく、路線図にはまだ載っていない。ご参考までにエア・ダート(AerDart)の路線を描き込んでおきました。空港からダブリン市街地とその周辺へのアクセスは、これが一番安く、早く、かつ確実だろう。エア・ダートの乗り場は6番で、空港を出て直ぐの道を渡ったところにあった(写真:下左)。時刻表は見つからなかったが、頻繁に出ているようだ。空港自体が小さいためでもあるが、昨年サンフランシスコ空港でバスを見つけるのに苦労したのが嘘のように簡単に見つかった。荷物を引き摺りながらバスへ。

 

バスは乗り口に段差がなくお年よりにも乗りやすく設計されている。足の不自由な方向けには車椅子用の昇降機もついている。そういえば、ストックホルムのバスはドアがあくと昇降側のサスペンションが沈んで入り口が下がるような設計になっていて、びっくりしたっけ。ちょうど、バスがお客に向かってお辞儀するように。人のための機械だよねぇ。日本はどうなっているんだろう…、駅のエスカレーターも昇りしかなくて、足の不自由な人には不便だよね。Kanaoはアキレス腱を切ったことがありますが、足が不自由な時に駅の階段で怖いのは、むしろ下りなんです。おっと、話が反れました。でもこんなことを感じたり考えたりする機会を得るのも、海外に出る一つの目的ですよね。

  

運転手も親切。メグミの年齢を聞かれ、「6歳」と答えると、料金は大人だけ取られ、各4ポンド。あらかじめ「ダートに乗り換えたいんだけれど」と言っておいたので、ダートへの乗り換えジャンクション(Howth junction)で親切に乗り換えを教えてくれた。バスを降りて、岩に車止めされた細い坂道をちょっと登るとダートの駅になる(写真:上右)ダートの駅(写真:下左)の係員も親切。やってきたダートに乗るときには親切なおばあちゃんが娘の手を引いてくれた。とても自然にこういうことが起きる。日本はもちろん、アメリカでもドイツでも人々の反応はこうではなかったと思う。アイルランド人は親切というのは本当かも。

  

DART は都市と近郊を結ぶ鉄道で、東京近郊の方ならそれこそ京王線か何かをイメージしていただければ。空港側からダブリンのシティセンターを通り過ぎると、海沿いの路線に入る。海沿いを20分ほど行くとダン・レーリーへ。Dun Laoghaireって綴るんだけれど、現地の人の発音は「ダン・レーリー」って聞える。これって、ゲール語だよね。そう言えば同じくケルト語圏のウェールズでは子音ばかり4つも5つも続く駅名があって、どうにも読めなかったっけ。ダン・レーリーはその英国はウェールズへのフェリーが出る港町。このあたりの人は、毎日この海を見ながら通っているのだろうか?いいなぁ。ダン・レーリーの次の駅が目的地、サンディ・コーヴ(写真:下右)。駅の外観(写真:上右)は小さな商店のようでこじんまりとした可愛いもの。日曜日のためか人通りも少ない。

 

宿の人に e-mail で教えられていたとおり、駅を出て教えられたとおり右に30m、左に曲がって・・・あっ、下り坂の向こうは海!!。素敵な眺め。宮崎アニメはこういうヨーロッパの風景を下敷きに絵作りをしているよなぁと思う瞬間だ。日本ももう少し景観を大事に街づくりをできるといいんですけどね。荷物を引きずり100m。教えられたとおり、宿に着く。駅から近い!!午後2時。

宿の女主人は良くしゃべる優しい人。ペナンから持ってきたフレーバード・ティーのお土産を渡し、部屋へ。部屋はこじんまりとしていたが品良くまとめられ可愛い。そう言えば、玄関も綺麗に飾られていたっけ。宿泊費も安いし、アクセスも便利だし、雰囲気も良いし、無理してダブリンのダウンタウンに宿を探さなくて正解だと感じる。

部屋に荷物を降ろし、「地球の歩き方」で見たブラック・ロックのマーケットに。サンディ・コーヴの駅でブラック・ロックまでの往復チケットを買う。大人のみ請求され、一人1.6ポンド。ダートの駅で買うチケットは写真のようなものです。

 

ブラック・ロックの駅では、海の写真等を撮る。ブラック・ロックの町の写真を Image Archives に載せました。見てやって下さい。ドイツ人の女性と知り合い、家族の写真を撮ってもらう。マーケット(写真:上右)では特に何も買わず。雰囲気だけ楽しんだ。まあ、ヨーロッパでは良く観光客向けの見る雑貨マーケットで、可もなく不可もなし。「地球の歩き方」に載っているだけあって、アイルランドに入って初めて日本人を見掛けた。おなかが空いて入ったレストランはメキシコ料理。飲みたかったギネスが無い!!仕方なくバドワイザーを注文。料理は辛かったのだろうけれど、日ごろマレーシア料理を食べているKanaoにとってはどうということもなし。チーズの味が結構美味しかった。

帰りのダートはスペイン人の若者が沢山居て雰囲気悪し。夏の間語学研修にくるのだそうだ。彼らはラテン系のノリでやるからマナーが良いはずはない。電車のなかでバスケットボールを取り出しドリブルは始めるは、床にウンコ座りして大声で歓談(?)するわ…。アイルランドの落ち着いた雰囲気とはかけ離れている。Kanaoはスペインも好きだが、それは「ラテンの国に行く」という覚悟で楽しみに行くので、今回のようにシブイ落ち着いた雰囲気を楽しみに来て、突然出っくわすと当惑する。くりかえしておきますが、スペインが悪いあるいは嫌いだと言っているのではありません。

サンディ・コーヴに帰り着いてから近くの雑貨屋に水など買いに。娘たちが眠そうなので外食をあきらめ、サンドウィッチとジュースを買い込む。B&Bで食べよう。Kanaoはとうとうギネスを手に入れる。缶だけど、まあ、いいや。ギネスはギネスだ。帰りに通りかかった公園が良い雰囲気。芝生は綺麗に手入れされ、あちらこちらが花で飾り立てられている。そして何より、その中で楽しんでいる老人達や子供達が「絵」になっていること。娘達は急に元気になり、ブランコ等で遊ぶ。Kanaoは少し写真を撮る。このダン・レーリーの公園の写真も Image Archives に載せました。見てやって下さい。帰ったら、シャワーを浴びて寝るだけ。