Back to

 

アイルランド・オランダ旅行記

第3日「ダブリンより鉄路、ゴールウェイ」

[Japanese only]

このページはテキスト主体です。写真をご覧になりたい方はこちらへどうぞ。

 

2001年8月6日(月)

やはり、朝4時ごろから目が覚めてしまう。サマータイムなので時差が7時間(日本からだと8時間)だから、マレーシアの午前11時。飛行機の中でタップリ寝て時差ぼけは極力解消したつもりだったのだけれど。娘達も5時ごろから騒ぎ出す。7時ごろ、着替えて外を散歩。海まで歩いて2,3分。海岸線も美しい。通りすがりのネクタイをしてスーツを着た紳士が声を掛けてきて、家族での写真を撮ってくれた。Kanaoは何枚か写真を撮る。

 

娘達が寒がっていたので宿に戻る。いよいよ、朝食。初めてのアイリッシュ・ブレックファスト。ベーコン、ソーセージが美味しい。たらふく食べる。ミルクが美味しい。おいしいミルクを飲むことが出来ないマレーシアから来ているので、なおさらそう思う。コーヒーを飲み終わった後、つい、ミルクだけ飲んでしまう。アイルランドは元々酪農で生計を立ててきたのだ。荷物を取りまとめて65ポンド払ってお礼を言い、宿を後にする。雨の中、B&Bの庭の花たちが鮮やか。

ダートの駅でゴールウェイまでの切符を買う。一日有効のファミリーチケット(写真:下左)で41.5ポンド。別に買うよりこのほうが得だと言われる。昨日もそうだったけれど、ここの駅員さんは親切。でも、後で考えてみたら子供達は無料ではなかったっけ?これがベストだったのかどうか未だに不明。ダートに載っている間に雨がひどくなってくる。タラの駅で降り、パンクが入ったちょっと危なげな若い駅員にヒューストンステーション行きのバス乗り場を恐る恐る聞く。親切にバス停まで連れていってくれた。

バスは10分おきに来るはずなのに、来ない。相変わらずひどい雨の中を待つ。待つ。待つ…。おーい、間に合わなくなるよ。20分ほど待ち、10:55のヒューストン発を捕まえるために、タクシーを拾う決断。アイルランド初めてのタクシー。この運転手も良い人だった。激しい雨に濡れるのも気にせず親切に荷物を上げ降ろししてくれた。ヒューストン駅までは思ったより遠かった。ギネスの工場の横を抜け、川沿いを飛ばす。メーターで5.6ポンド。1ポンドチップを。

駅ではゴールウェイ行きの列車待ちに沢山の人が待っていた。列車に乗り込む時も押し合い圧し合い。大きな荷物を背負った旅行者たちが我先にと争って乗り込んでいく。二人の子連れでスーツケースを抱えていてはとても勝ち目はない。ゴールウェイまで立って行くのなんてやだぞ。長距離バスに切り替えようかと思ったが、文句を言った駅員に言われるままに列車の前のほうに行ってみたらガラガラ。無事座ることができた。駅員さん、文句を言ってごめんなさい。

 

車両は古いが、木の大きなテーブルのついた立派な物。座席もゆったりでくつろげた。当然の事ながら時間どおりには発車しない。定刻を10分ほど過ぎてから何の合図も無くおもむろに動き始める。車窓からの風景はどこかスコットランド、イングランドに似た懐かしい風景。牧草地、羊、牛、馬、石造りの尖がり屋根の教会。いや、スコットランドにはこんなに牛や馬は居なかったぞ・・・。それに空の感じはスコットランドの方が好きかな。いや、まだ二日目だ。結論出すには早い。雨は上がったが、くもり空。ところどころに湖が見える。この鉄路の写真を Image Archives にの載せました。是非ご覧下さい。

列車の中は若者達で賑やか。おつうがブッフェに行ってサンドウィッチとジュースを買ってくる。これが今日の昼食。Kanaoは昨日買い込んだギネスを飲む(写真:上左のバック)。ギネスは室温で飲むもんだ…と思っていたのだけれど、缶には「良く冷やして飲め」と書いてある。缶の中にはご丁寧に「特許出願中」の保冷剤まで入っている。それにしても、マレーシアで飲むギネスと、どうしてこう味が違うんだ?全然苦味が無いぞ。良い酒は旅をしないと聞いたけれど、それにしても本場で飲むギネスは美味い…と感じたKanaoは、夕食時に再度認識を変える事になる。

あまり家族連れは見かけない。家族連れは車で回るのかな?私達も後半はレンタカーを使うのだけれど、この鉄道はどうしても乗ってみたかったのだ。娘達は大分疲れたようだ。無理もない、ずっと移動だもの。でも、まだ始まったばかりなんだ。

 

いよいよゴールウェイに到着。ゴールウェイは日本でもとても有名なアラン諸島への窓口となる町だ。

ゴールウェイの駅はいかにもヨーロッパの駅。当然のように改札は無い。スーツケースを引きずって歩いていくと、そのまま駅の外に。地球の歩き方の地図に載っている場所にインフォメーションセンターが無い。駅から出てところの通りを右に曲がってしばらく歩くと右手に新しいインフォメーションセンターが(地図:下)。中にはケルト色を押し出したいろいろなみやげ物があった。何人かの日本人を見かける。中にはダブリン在住の日本人も。

さて、困った。今夜泊まるB&Bが見つからない。Four Seasons というB&Bで、インターネット上で見た地図では駅からこのインフォメーションセンターへの間ぐらいにあるはずなのだが…。インフォメーションセンターで場所を尋ねる。「え?インフォメーションセンターを出て右手の坂を登って10分?。何か、ちがうじゃん。」仕方が無い、インフォメーションセンターに家族を置いて、KanaoだけB&Bを探して歩き回る。

やっと見つけたB&Bでは「ようこそ西部(Wild West)へ」。「極東(Far East)から西部(Wild West)へ」と返答。

「地図と場所が違うじゃないか」とホームページからコピーした地図を見せながら言うと、「うん、車で来る人のための地図だからね」と相手にもされない。まあ、いいや。駅から歩いて15分程度じゃ、そう文句も言えないか。でも、スーツケースを引きずってるんじゃ話は別だぞ。ちなみにFour Seasonsでは電話をすれば駅までピックアップに来てくれる。またこの周りはB&B街になっている。

宿の人は面白くて親切。お薦めしておきましょう。車で家族を拾いにインフォメーションセンターまで行ってくれる。ついでにゴールウェイの町も車で案内してくれた。居住区はともかく、タウンセンターは小さく小奇麗で、そして洒落ている。アイルランド西部を回る計画なら、この街を外す手はない。

  

宿で一休みしてから、町へ。娘たちは馬車を見つけて喜ぶ(写真:上中)。メグミは写真を撮っていたけど、デキはどうたったかな?街ではまず、5日目から借りる予定のレンタカーの予約を確認。Budget が右上図のEyer Sq.の右の通り沿いにあり、インターネットでの予約もできる。コロナ/ブルーバードクラスを借りる予定だったのだけれど、カローラクラスに変更。為替レートの勘違いを少しでも穴埋めしなくては…。その後はアラン諸島へのフェリーの予約(写真:上右)。インフォメーションセンターでも予約できるが、駅からインフォメーションセンターに向かう道沿いにも何軒か予約できる店がある。

よし、準備は全て完了。さあ、この街を楽しもう。

歩行者天国になっている通りが洒落ている(写真:下左)。アイルランドに入ってから、ずーっと思っていたことだけれど、車の運転マナーがとても良い。マレーシアから来たから特別そう思うのかもしれないけれど(マレーシアはとても好きな国だけれど、運転マナーの悪さと噂話だけは勘弁して欲しい)、横断歩道の側で立ち止まるだけで車が急ブレーキをかけてつんのめるようにして止まってくれる。その分、郊外では狂ったように飛ばすということは、後で自分が運転してみてはじめて分かった。これはイギリスと同じ。

ショッピング街の有名なクラダ・リング(Claddagh Ring)のオリジナルの店(THOMAS DILLON'S : 1 QUAY STREET, GALWAY Tel : 091-566365, www.claddahring.ie)でおつうは18Kのリングを買う(写真:下中)。210ポンド(3万円弱)。細工がスゴーク良いというわけでもないが、まあ、記念だからオリジナルの店がいいよね。同じ店で若い女の子がスターリング・シルバーのリングを買っていて、こちらは34ポンド。その他、14Kとかもあった。

この店のパンフレットにはこのリングの付け方の説明が記載されている。未婚者あるいは恋人の居ない人はハートを外向きに(自分から見るとハートが倒立)、既婚者あるいは恋人の居る人はハートを内向き(自分から見るとハートが正立)のが流儀だそう。この説明は「地球の歩き方」に書いてあるのと正反対。しっかりしろ、「地球の歩き方」!!

   

しばらく散策した後、BBの親父が推薦してくれたマック・ドナー(McDonagh's 写真:上右)の店で食事。親父曰く「マクドナルドじゃないぞ」。「わかってるって・・・。」ここは美味しい。お薦めです(写真:下左、中)。店の左半分はフィッシュ・アンド・チップスのファスト・フードになっていて、右半分がレストラン。ギネスを注文したら、隣のパブで買って来いと言われる。一旦外に出てから隣のパブに入り注文。「ギネス、1パイント!!(写真:下右)」

そこでギネスを飲んでいた二人組みの親父に「正しいギネスの飲み方」のご指導を受ける。「若いの、慌てるな。ギネスはついでからな、待つんじゃ。泡が落ち着くまでナ」。(「ウルセー、もう若かねぇ」)と思いながら、じっとグラスを見ていると泡が沈んでいく!!・・・不思議な光景。パブの女の子は泡が落ち着いてから、さらにグラスいっぱいまでギネスを継ぎ足し、手渡してくれた。300円ほど。安いよねぇ。

  

とにかく、美味しいサーモンやエビに舌鼓を打ちながら、ギネスを飲む。

「!!!!」

なんだ、これは。Kanao が「今まで飲んでいたものは『ギネスのような飲み物』であった」ことを悟った一瞬である。これは説明不可能です。アイルランドに行って、自分で飲んでもらうしか理解してもらう術はありません。とにかく、これが飲めないというだけで、日本なりマレーシアに住んでいる自分が「不幸だ」と言えます。

東京では、3月の網走で流氷の割れ目からもぐって採ってきたばかりのホタテの貝柱の刺身を食べられなかったり、新橋では英国の片田舎のパブの自家製のエールを飲めなかったり、新宿ではリヨンの駅前のお菓子屋で買える生チョコが手に入らなかったり、まあ、そういった「不幸」に匹敵する「不幸」です。

45分経過…。

さあ、おなかが膨らんで、歩きつかれて、娘達はもう眠い。8時過ぎだというのに外は明るい。まだ、歩きたいけれど、娘達が限界。タクシーに近づき「このBBまで行ってくれ」とカードを見せる。「十分も歩けば着くよ。」「娘達が疲れてるんだ、たのむ。」

さぁて、今晩は良く寝て、明日はいよいよアラン諸島だ。