アイルランド・オランダ旅行記

第9日「クリスタル工場見学、ダン・レーリーへ」
[Japanese only]

 

2001年8月12日(日)

 このB&Bの朝食は典型的なアイリッシュ・ブレックファスト。やはり美味しい。食べ終わったころ、メグミが猫と遊んでいると、お上さんが「おいで、おいで」と外に連れ出してくれる。何かと思ったら、生まれたばかりの牛の赤ちゃん。ヨーロッパで蔓延している口蹄疫のコントロールのため、農場の敷地に入ることはできないが、納屋の入り口から覗かせてくれた。

 昨日の英国人家族も現れて、少年は猫をかまっている。彼らは長期滞在しているらしく、今日はゴルフにでかけるんだそうだ。車にゴルフバッグを詰め込んでいる父親としばし立ち話。日系企業とも付き合いのある石油関連の会社に勤めているらしい。「ゴルフはお上手なんですか?」ちょっと考えて、「私は悪いゴルファーではないが、息子は才能がある。まだ距離はでないけど、曲がらないんだ。」

 さて、このB&Bともお別れ。泊まっていた2階の部屋からスーツケースを持ち出し、薄緑の小さなフィアット・プントに積み込む。B&Bの大きなボルボ達や、英国人家族が乗ってきたアコードに並んで、ちょっと見劣りしているけど、良く走る娘だよ、君は。さあ、出発だよ。メグミは子猫が名残惜しそう。

 主管道路に出るため、昨日通った国道を戻る。国道に向かう途中のキリスト教の墓地に立ち寄る。ガラス張りの中のキリスト像がとても不思議で、異文化圏に居ることを改めて感じる。Kanaoは何枚か写真を撮る。ここは、本当に小さな田舎町だ。

 例によって細い道から太い自動車道に、そしてまた道が細くなり、ウォーターフォードの町に入る。世界的に有名なウォーターフォード・クリスタルの工場を見ることにする。日本のデパートでもウエッジ・ウッドの磁器と並んで売られてますよね、ウォーターフォード・クリスタル。今日は、アイルランドの初日を過ごしたダン・レーリーまで戻るだけだ。時間はたっぷりある。

 ウォーターフォード・クリスタルの工場は観光名所となっており、見学コースも充実している。**ポンド(あれ、レシートが見つからない・・・)の入場料は高いけど、まあ、よしとするか。工作大好きのメグミはこの工場がとても気に入った様子。ガラスを溶かして型で成型するのがかなり印象的だったようだ。わざと間違えて取っ手の側に注ぎ口をつけた水差しなんかをみて喜んでいた。

 Kanaoはというと、ついつい仕事の目で見てしまう。「ここの物流は・・・」とか、「安全面での対策は・・・」とか。職業病ですね(^^;;;。それにしても、カッティングをするための大小、様々な形の砥石が並べられた机は、画家のパレットやイーゼルを見ているようで、それだけでオブジェのように美しかった。

 一つ印象的だったのは、身体障害者への配慮がなされていること。私が参加した見学ツアーの時間にも一人車椅子の方がいたけれど、何の不自由も無く見て歩けるようになっていた。こうした社会的成熟については、やはり進んでいると感じる。

 見学の後は、お決まりのショップ。素敵なクリスタル商品がたくさん並び、お土産品のコーナーもある。Kanao は記念にワイングラスを買い、無料サービスの名前入れをしてもらう。今回の旅行で記念品らしい買い物はこのクリスタル・グラスだけ。そうそうもう一つ、安かったけれど、ディングルの町で買った小さなショット・グラスがあったっけ。

 ウォーターフォード・クリスタルのカフェで昼食を取り・・・いや、ウソです。また記憶がねつ造されていました。Coolpix950 の記録によると、その後、ウォーターフォードの街中に移り、そこのアイリッシュ・パブで昼食です(^^;;。

 アイルランドでは、特に昼間なら、子供づれでパブに入り、食事をしたりできるのです。ちゃんと「キッズ・メニュー」があるぐらいですから。タバコの煙が立ち込めているのがちょっと嫌だったですけれど、雰囲気は良かった。Coolpix950 の記録によると(^^;;、Kanao はここで念願のアイリッシュ・シチューにありついて、ギネスを飲みながら食べていますね。このシチュー、味はまあまあでした。支払いを済ませてレシートを受け取ったら、お店の立派なカードにホチキスで留められていました。"Waterford's Most Unique Pub"だそうです。〆て£32.6 = ¥4200。日本での外食並にかかります。

 ところで、上に書いた事でもお分かりかと思いますが、Kanao にとり、写真を撮り続けることというのは、記憶の補助手段のようなものでもあり、イメージの反芻作業でもあります。時をおいて、何度もその当時の写真を見返すことにより、昔の自分の感覚を思い出したり、価値観の変化を確認したりします。時に「昔は稚拙な事をやっていたな」と思い、時には「当時はこんなに繊細な感覚を持っていたんだ」とショックを受けたりするわけです。

 ウォーターフォードの街は、なかなか良かったです。欧州らしく、パンクの入ったネーチャンが子供向けのお菓子屋の店員をやってたりして、それはそれで、文化の違いを感じます。一家で洒落たショッピングセンターを歩き回り、メグミとケイコは小さなおもちゃを買ってもらう。これがなかなか良く出来ていて、今でもお気に入り。

 また車に乗り込みアイルランドでの最終宿泊地、ダン・レーリーへ。ダブリン方向に向かう道は分かりやすくて快適だが、面白みは無い。ダン・レーリーの町を回りこむようにして海岸沿いに入り、アイルランド最初の朝に散策した海の前を通り過ぎて今晩のB&Bへ。ここへは2泊する予定。

 ところで、このB&B、表示が出ていない。今までの経験から看板を探していたのだけれど、それが無いのだ。結局行きつ戻りつし、最後は通りの名前と番地から割り出す。DARTの駅から遠い上に、高くて対応もあまり良くない。最初の晩に泊まったB&Bにしておけばよかった・・・。しかし、こればかりは行ってみないと分かりませんね。

 夕食はB&Bで教えてもらった近くの駅の傍のレストラン街で探す。雰囲気が悪かったり、高級そうで子供連れではためらわれたりで、なかなかレストランが決まらない。最後は多国籍料理屋で。和食メニューからマレーシア料理まであってびっくり。ここまで来てサテー(マレーシア風焼き鳥)は食べないよねぇ。Kanaoはまたしても、ギネス。ギネスって、こんなに美味しかったんだ。

 今日の走行は256km。