アイルランド・オランダ旅行記

第12日「風車を見に…しかし…」
[Japanese only]

 

2001年8月15日(火)

 まだ時差ボケがあるのか、旅の疲れが出てきたからか、一家そろって朝寝坊してしまった。着替えてレストラン行き、朝食を食べる。ケイコの調子は良さそうで一安心。熱は引いたかな?

 朝食用のレストランの雰囲気は、6年前と何も変わらない。昔はプールだったという洒落た雰囲気の部屋で、美味しいブッフェスタイルの朝食をいただく。これが良くてこのホテルを選んだようなもの。同じような西洋風ブッフェの朝食が食べられる高級ホテルはペナンにもあるけれど、どうしてこんなに雰囲気が違うのだろう?

 何処か遠くから聞こえてくるようなくぐもった他の人達の会話や、石造りの部屋に反射するフォークやナイフの控えめな音が、まだ半分寝ぼけている耳に心地よい。窓から差し込む朝の光はセンス良く並べられたシックなテーブルを浮かび上がらせ、その中でたたずむ世界中から集まってきた客たちは、バカンス用らしくちょっと砕けた、でもセンスの良い服装に身を包んで談笑しながら食事を楽しんでいる。

 さて、このレストランで私の一番のお目当てはクロワッサン。フランスのとはちょっと味が違うが、これだけ美味しいクロワッサンはこの先当分たべられないぞ・・・と一生懸命食べる。私はクロワッサンに目が無いのだ。モーリシャスに行ったときもクロワッサンの美味しさに感動して夢中で食べた。ペナンで手に入るクロワッサンは、餃子の皮を作る途中で急に気が変わってパンにしたような味がする。

 朝食に満足した私たちは、風車を見に行くことに決めた。ケイコの調子も良さそうで、もう回復したと考えた。ホテルの前から中央駅までトラム(路面電車)に乗る。乗り場に居た地元の人に利用の仕方を教わる。「料金は中で払えばいいよ」。

 やがてやってきたトラムに乗り込んだが、中は混んでいて乗務員の所まで行けない。どうしようかと思案しているうちに中央駅に着いてしまった。ここが終着駅だ。料金を払払えずにあせっている私たちを、さっきの地元の人は笑ってみている。ヒトゴトだと思って!!トラムから降りて乗務員のところに行こうとしているうちに乗務員は立ち去ってしまった。とにかく人込みがすごいのだ・・・これって「ただ乗り」?まあ、いいや、オランダに借り一つ。本当は駅か本屋で回数券を買っておけば良かったらしい。

 駅で電車の切符を買おうとしたが、券売機の使い方が分からない。説明がオランダ語なのだもの。しかたなく駅のカウンターに並び切符を購入。使い方、せめて英語で書いておけよな!!日本の券売機と違って複雑怪奇なんだから!!ロンドンのチューブ(地下鉄)の券売機のことを思い出した。あれにも参った。何度コインを入れても出てきちゃう。行き先を押してからお金を入れる手順に先に気づいたのはおつう。「機械」が専門のはずの Kanao にとっては屈辱的な経験だった。

 窓口にならんだおかげで時間がかかる。券売機は空いているのに!!おまけに私が並んだ窓口のオネーさんが、オランダ語で何か書かれたカードを出してブラインドを半分降ろす。おいおい、オランダ語じゃわからないんだよー。これからこの窓口を閉めるっていうこと?本当にここは観光産業を大事にしている国なのか???ヤキモキしていた私たちだが、幸い私までは券を売ってくれた。らっきい!!私の後ろに並んでいて窓口を閉められた人がオネーサンとモメている。そりゃそうだよな。

 ホームを見つけるのにも一苦労。もう一度言う。「せめて英語で書いておけよな」。いろいろ悩んだあげく、時刻表に記載されている番号がホーム番号らしいと見当がつく。そういえば、イタリアはトリエステのバスステーションでは、時刻表の発射時間の横にカッコ書きされた数字、1〜7が曜日を表していることに気がつくのにしばらくかかったっけ。エキゾチックと言えばエキゾチックなのだけれど、困るのも事実。エキゾチックと言えば、駅の広告ポスターも妙に色っぽかったりして、やはりここはヨーロッパだと再確認。

ようやく列車に乗れた。車窓はアムステルダムの町並み。列車の中は結構込んでいて座れない。しばらくするとケイコがぐったりしてきた。眠くなったせいもありそうだが体も熱い。しばらく迷ったが、用心のため Zaandam で途中下車。駅前でタクシーを拾い、おつうとケイコをホテルに帰す。60G。結構高い。私はメグミを連れて風車を見に先を急ぐ。

 目的地は Koog-zaandijk 駅。この駅のあたりに観光用の風車が残されているのだ。駅から20分ほど歩いて風車のあたりに。メグミは鴨をみて喜んでいる。一番手前の動いている風車に入り中を見学。大人6G。英語圏の人には全く会わない。中国人が多い。日本人には一組すれ違っただけ。夏のハイシーズンなのに?日本の景気の低迷を実感させられる。

 駅に戻り、ホテルに電話。ケイコは元気とのこと。乗り継ぎ駅の Zaandam のマクドナルドで昼食。Kanao は何でも良いのだが、適当なレストランに入って妙な物が出てきたら、メグミに食べさせるものに窮する。そういう時にはファストフードは便利だ。それにしてもいろいろな容姿の人たちが入れ替わり立ち代り入ってくること。本当に人種の坩堝だ。一説には、オランダ居住者におけるオランダ人の比率は50%以下とか。しかも正規に登録されている人だけで。

 ケイコの調子が良いとのことなので、予定変更してミニSLに乗るべく Hoorn へ。 Zaandam から Hoorn への往復切符を買うべく、自動販売機に挑戦。良く分からないので、あてずっぽうにボタンを押す。列車は空いてきて、旅は快適。しかし Hoorn についてみると、今日の分のミニSLは残念ながら終わっていた。時間をよく確認してから来るべきだった。SLのみ見て帰りの列車に。

 ここで始めて検札を経験。厳しく見ている。ドイツでもそうだが、改札がフリーパスな代わり、抜き打ちで検札がある。切符を持っていなかったり、不正な切符で乗車していた場合、かなり面倒なことになるそうだ。ご用心。ところで、私が Zaandam の自動販売機で当てずっぽうに買った切符は片道だった。あぶないあぶない。自動販売機の使い方を教えてもらい、帰りの片道切符を買う。電車の中でメグミはうつらうつらしている。かなり疲れたようだ。

 ホテルに戻ってみるとケイコの食欲が無く、日本食レストランでおにぎりを作ってもらう。2つで900円。高い(泣)。日本人の従業員が居てその方にお世話になる。その後、元気が出てきたケイコを連れてそのレストランへ。ケイコがどうしてもと言い張り、お寿司を注文。とっても高い(大泣)。

 レストランの日本人従業員によれば、アムステルダムの物価は日本の約半分とか。どうも私たちが経験したこととは感覚的に合わない。高い食事、高い水は観光客価格か?いろいろ話を聞いてい見ると、電車の運賃は高いが、市民は年間パスを4000円ほどで買うと半額になるそうな。一見さんからふんだくる方針はイギリスといっしょ。ミネラルウォーターもスーパーに行けばかなり安いそうだ。