懐かしのマレーシア

2006年4月1日:福岡よりシンガポール経由、ペナンへ

[Japanese only]


はじめに

 何で突然、またマレーシアに行くのか。それには二つ理由があった。一つめは、娘たち、特に恵を同級生に会わせるため。彼女は今小学校6年生なのだが、ペナンのインターナショナルスクールの同級生は7月で卒業してしまう。この学校は幼稚園と小学校のみなので、卒業後は生徒が散り散りになる。日本の学校の休みを勘案すると、今回が皆にいっぺんに会える最後のチャンスだろう。また、彼女達はこれまでの人生の大半をペナンで過ごしており、里帰りと言っても良いかもしれない。

 二つ目は、Kanaoの所属する会社が閉鎖したマレーシア工場の仲間に会うためである。彼らは元気にやっているだろうか?こちらの理由に関してはもっと早く行きたかったのだが、自分の気持ちの区切りの上で「まずは博士号の取得に専念」と決めていた。

 ちなみに、今年の3月でKanaoは社会人生活満20年であり、「ちょっとまとまった休みを取らせてもらっても良いかな」という気持ちもあった。なお念のため申し添えるが、別に会社から特別休暇を貰えたわけではなく、自分の権利として持っている年休を五日間消費した。

旅程・費用

 日程は4月1日土曜日発の6泊7日。4月7日金曜日の夜行便で日本に帰国。3月中に出発だと少し旅費が安くなるようだが、3月27日に学位の授与式が執り行われたので、仕方がない。航空会社はシンガポール航空で、チケットは日本の旅行代理店で手配した。福岡からシンガポール経由ペナン往復で、大人が\70,000ほど。旅費としては、それ以外に山口から博多往復の鉄道運賃、現地でのタクシー代がかかる。

 ホテルはペナン島ガーニードライブにあるガーニーリゾートホテルで、マレーシアの元同僚に手配してもらった。ダブルベッドの寝室が二つついたスイットルームで一泊素泊まりが\12,000弱。日本と違い、部屋あたりで課金される。娘達が大分大きくなってきたので、そろそろ大人4人分の寝室が必要になってきた。


4月1日(土曜日)

 早朝、自宅から徳山駅までタクシーを使う。重いスーツケースを運ぶことや、新幹線の時間を勘案しての、ちょっと贅沢。¥5,000強。スーツケースの中身は殆ど手土産。イスラム教の人たちも居るので原材料をチェックしたクッキーなど。徳山から博多まではこだま号。前日買っておいたサンドウィッチで朝食。博多駅から福岡空港国際線まで、またタクシー。旅行会社のカウンターでチケットを受け取り、チェック・イン。B777は3席x3列なので、3人+1人で横に並ぶようにしてもらう。出国後、ちらっと免税店を覗くが、興味を持てる物は無かった。「オメガは海外で買うと修理に困ります。是非当店で」…スォッチグループはそんなこと無いと思うけどなぁ。

 シンガポールまでは6時間かからない。昼食を食べたり、映画を見たりしていたら、着いてしまう。映画はオンディマンドでいろいろ選べる。今回選んだのはナルニア国物語。結構、面白かった。ナルニア国物語の本(英語版)は、娘たちのために、2年前に帰国する直前にペナンの書店で全7巻を購入してある。自分でも読んでみたかったが、この2年間、読書に使える時間は殆ど無かった。今度こそ、読んでみよう。

 機内サービスで食事前に赤ワインとシンガポールスリングを頂く。注文する時に、およそ二年ぶりに「真剣に」英語を使った。シンガポールスリングは久しぶり。やっぱり甘い。ところで、今回、初めて機内で気分が悪くなってしまった。激しい運動をした後に経験したことがあるような気分の悪さ。酸欠症状のようだ。機内スタッフが酸素を吸わせてくれて、すぐに納まったけれど、本当に驚いた。

 シンガポールのチャンギ空港で、乗り継ぎ時間が3時間以上。Tシャツがそろそろ買い替え時期だったので、この空港にあるジム・トンプソンで買うつもりで持ってこなかったのだが…、残念なことに店舗が無くなっていた。ペナンに行ってから調達せねば。

 時計が好きなKanaoは家族と離れて時計屋めぐり。チャンギ空港内だけで5〜6軒の時計屋があり、スォッチのような比較的安価なものからパティックフィリップやブレゲなどの最高級時計まで扱っている。ちなみに、日本から行くと乗り継ぎはターミナル2だが、最高級の時計の扱いはターミナル1の店の方が良い。空港の免税店で数百万円の時計を買う人が居るのかどうか、疑問だが、目の保養にはなる。ターミナル2とターミナル1は歩いても行けるが無料連絡列車も走っている。

 ところで、佳は旅行のたびにクマかゾウのぬいぐるみを連れて行く。結構かさばるのだが。ちなみに今回は両方。で、旅先でそれらと遊ぶわけではなく、部屋に飾っておいて、つれて帰る。まあ、いいんだけれど。何処かに置き忘れてくるんじゃないかと、毎回、冷や冷やする。ちなみに、このゾウは、シンガポールのズーロジカル・ガーデン(動物園)で買ったもの。これも一種の里帰り。

 結局、我が家はチャンギ空港では何も買わず、コーヒービーン(ペナンではスターバックスの競合店)で時間つぶし。そして、何度乗ったか分からないSQ198便に乗る。こちらもB777。ペナンまでは実飛行時間が1時間ほど。この飛行機が結構揺れて、佳は相当怖かったらしくおつうの横でしくしく泣いていた。そう言えば、飛行機が揺れるのを経験したのは初めてかもしれない。機内サービスも途中で中断されてしまった。

 20:00に無事降り立ったペナン空港は、2年前と殆ど変わりなし。飛行機を出てタラップに入った瞬間、ムッとする空気が出迎える。入国審査もフリーパスに近く、預け入れたスーツケースを持って到着ロビーへ。とりあえず\50,000をリンギットに両替。事前に調べておいたとおり1リンギット=約\32で、2年前に日本に帰った時とほとんど同じ。ロビーでは、かつて会社の運転手をしていたR氏が出迎えてくれる。彼は今、タクシードライバーとして生計を立てているので、事前に出迎えを頼んでおいた。再会を喜び合い、彼のタクシーへ。車はプロトンのサガ。

 ホテルへ向かう道すがら、最近の様子などを聞く。町並みはあまり変わっていないが、車の量は明らかに増えていた。車の価格が下がったのが主因とのこと。ガソリンの値段は1リットルあたり1.9リンギット(\60強)。これも事前に調べていた通り。マレーシアではガソリンの価格が長らく1リンギットだったのだが、私が帰国する前に1.3リンギットになっていた。その後、2年間でさらに60セント上がったことになる。それでも日本に比べれば半額程度なのだが。車を安くした分、ガソリン代を上げて交通量をコントロールしようということだろうか。

 途中、気分が悪くなった佳が戻してしまう。先ほどの飛行機の揺れで酔ってしまったのがタクシーの中で悪化したようだ。ずっとシックバッグを握り締めていたので、車を汚すことはなかった。30分ほどでホテルに着き、料金は30リンギット(約\1,000)。空港のタクシーを使っても、大体同じぐらいのはず。翌日以降のスケジュールを確認し、手土産を一つ渡してR氏と別れる。

 チェックインでいきなりトラブル。最初に出したクレジットカードが使えない。最新のICチップ埋め込みタイプで、PIN CODE を聞かれて面食らう。国内でそんなコードを使ったことは無い。仕方なく、他のカードを使ってチェックイン。受付のインド娘は隣の同僚とペチャクチャおしゃべりをしながら仕事をしている。挙句の果てに佳のゾウのぬいぐるみで遊び始め、持って別の部屋に行ってしまった。当然のことながら、佳はご立腹。

 荷物を部屋に運んでくれたポーターの感じは良い。部屋は・・・あきれるぐらいに広い。今、日本で住んでいるアパートに匹敵するだろう。荷物を置いて、ほっと一息入れたら急に空腹を感じ、ルームサービスを頼む。あまり遅い時間に食べない方が良いのは分かっているのだけれど・・・Kanaoはナシ・ゴレン、他の家族はミースープを頼む。ナシ・ゴレンは随分と豪勢でサテーや立派な海老が付いていたり・・・高いだけのことはある。冷静に考えれば味はまあまあだったけれど、懐かしさが勝って美味しく食べることができた。

 ルームサービスを待っている間、こちらで会う予定の人たちに電話をかけて到着を知らせ、時間を再確認。食事の後は、シャワーを浴びて横になる。山口からペナンへの移動は、シンガポールでの乗り継ぎ時間が長いこともあり、なんだかんだで丸一日かかってしまう。長いような、短いような、そんな一日が終わった。


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